内縁の妻に財産を承継させたい場合には?

目次
内縁の妻に財産を承継させたい場合には?
【特別縁故者とは?】
民法では、特別縁故者について、「被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者、その他被相続人と特別の縁故があった者」と定めています。
内縁の妻や事実上の養子のように、被相続人と生計を共にしていたり、被相続人を献身的に世話してきた者ではあるが、民法上は相続権の無い者に対して、家庭裁判所が被相続人の遺産を分与することを相当と判断すれば、財産を承継させることができるのです。
しかし、この制度は、あくまでも「相続人が不存在」という特殊な場合にのみ認められている制度で、相続人が存在する場合には、内縁の妻等が特別縁故者であったとしても、被相続人の遺産を承継することはできません。
Q:では、相続人が存在する場合にも、内縁の妻等へ財産を承継させたい場合には、どうすれば良いのでしょうか?
あるいは、相続人が存在しない場合でも、家庭裁判所の特別縁故者への財産分与手続きを経ることなく、内縁の妻等へスムーズに財産を承継させたい場合には、どうすれば良いのでしょうか?
A:遺言書を作成しましょう!
内縁の妻や事実上の養子に対し、何をどのように承継させたいのかを書いて遺言書として遺しておけば、他に相続人がいても承継させることができます。また、他に相続人がいない場合にも、家庭裁判所の煩わしい手続きを経ずに財産を承継させることができます。
相続手続きは亡くなってからの話だと考える人が多いようですが、実は亡くなる前からのお話しなのです。
ご自身とご自身の大切な人の為に、相続人が誰になるのか、誰に何をどのように相続させたいのか、ご自身がお元気なうちに検討してみては如何でしょうか?
内縁の妻や事実上の養子にスムーズに財産を承継させたいと考えている方、遺言書を作成するかどうか迷っている方は、まずはアット.法務オフィスにご相談ください。
著者
稲葉 尚士(いなば たかし)
神奈川県司法書士会所属
登録番号:第1111号
簡易裁判所訴訟代理権
認定番号:第302030号
担当分野:相続業務全般、債務整理