両親が亡くなった。実家の固定資産税は誰が支払うべきなの?
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両親が亡くなった。実家の固定資産税は誰が支払うべきなの?
固定資産税とは、不動産など固定資産の所有者に毎年課される税金のことで、1月1日時点の所有者に納税義務が課されます。固定資産税の納税通知書は横浜市内であれば毎年4月中旬頃に送られてきますが、納税義務者が誰であるのかは、あくまでも1月1日時点の所有者を基準に判断されています。
では、実家の名義人である父(母)が亡くなった場合、誰が固定資産税を支払わなければならないのでしょうか。
結論から言うと、法的には、「各相続人が法定相続分の割合で支払い義務を負う」ことになります。
相続というものは、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も引き継がなければならないのです。
但し、遺産分割協議によって、誰が財産を取得し、誰が義務を負うのかを決めることができますので、特定の相続人に支払い義務を負わせることは可能です。また家庭裁判所で相続放棄をすれば、支払い義務を負うことはありません。(当然のことながら、プラスの財産も一切引き継げなくなりますが・・)
◎実務上でよく起こり得ること・・
両親亡き後、実家の固定資産税を相続人の代表者が一括して立て替え、後で相続分に応じて各相続人に請求したり、相続財産から支払っていくケースを多く見かけます。こういった場合、その立て替えた金額は、相続税の計算上、債務控除の対象となりますので、収受印が押された領収書はしっかりと保存しておいてください。
また、固定資産税は、年税額を一括で支払うこともできますが、ほとんどの方の場合、年4回に分けて支払うことが多いのではないでしょうか。この場合、例えば、故人が1期分と2期分を納めた後に亡くなったとしたら、3期分と4期分の税金が未払いとして残ります。この未払いの固定資産税も、各相続人が法定相続分によって支払い義務を負うことになります。
相続に関する法律的な問題や税法上の問題が生じましたら、専門家である司法書士や税理士にご相談ください。
当オフィスでは、長年お付き合いのある相続に特化した税理士事務所と提携しております。相続のお手続きやその後の税のことでご質問がございましたら、まずは当オフィスにお問い合わせください。
著者
稲葉 尚士(いなば たかし)
神奈川県司法書士会所属
登録番号:第1111号
簡易裁判所訴訟代理権
認定番号:第302030号
担当分野:相続業務全般、債務整理