相続不動産を売却するメリット・デメリット
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相続不動産を売却するメリット・デメリット
父又は母が亡くなり、ご実家を相続することとなったとき、そのまま所有し続けるのか、あるいは売却するのか、悩まれる相続人の方は多いのではないでしょうか。
特にご自身が幼少期にお住まいになっていたご実家を手放すことには、少なからず抵抗を感じることでしょう。
ここでは、相続不動産を売却する場合の主なメリットとデメリットをそれぞれ挙げてみたいと思います。
相続不動産を所有し続けるのか、売却するのか、判断材料として参考にしていただければと思います。
◎相続不動産を売却するメリット
①分割することが難しい不動産でも、現金化することで平等に遺産を分けることができる・・
不動産は、相続財産の中で最も高額な財産であることが多いため、誰か一人が相続すると不公平になり、相続人間で不満や揉めごとが起こるキッカケになりがちです。
よほど多額の現金や預貯金があれば公平に分けることも可能ですが、多くの相続の場合、そんなに上手くはいきません。
やはり不動産を売却することで現金化し、各相続人が平等に遺産を相続できることが最大のメリットになるのではないでしょうか。
②不動産を売却することで、相続税を支払うための現金を確保できる。
③不動産を売却することで、今後、維持管理をする必要がなくなり、固定資産税や管理費などを支払わなくてよくなる・・
不動産は空き家になるとアッという間に劣化していきます。劣化するということは、いざ売却しようとしたときにそれだけ価格が減少することになります。
もし空き家となった不動産を相続された場合に、売却を検討されるのであれば、お早めに行動に移すことをおススメ致します。
④空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除を受けることができる・・
これは、故人が居住していた家屋やその敷地を相続した相続人が、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、一定の要件を満たして、その家屋や敷地を譲渡した場合に、譲渡所得から3,000万円を特別控除することができる特例のことです。
この「空き家の3,000万円控除」については、改めて近日中にコラムを書きたいと思います。
◎相続不動産を売却するデメリット
①譲渡所得税が課税されることがある・・
不動産を売却すると、売却価格から
(購入時の価格+購入時及び売却時の仲介手数料などの諸経費)を差し引いて利益が出た場合には、譲渡所得税がかかります。
但し、相続不動産を売却した場合には、上記メリット④に記した特別控除の特例がありますので、(当オフィス提携の)税理士に相談し、具体的な金額を見て判断してみてください。
②思い出の詰まった不動産の所有権を失ってしまう・・
当たり前のことですが、不動産を売却するとその不動産は他人の名義になってしまいます。
特に思い出のあるご実家を売却するか否か、相続人の皆さまでよく話し合ってご決断ください。
◎まとめ・・
相続不動産を売却することの主なメリットとデメリットを紹介致しましたが、最終的には相続人全員で話し合って決めていただくことになります。
しかし、なかなか相続人だけで判断できないというときには、当オフィスでも(提携の税理士を交えて)相続人の皆さまのお話しを聞きながら、売却する場合と売却しない場合のメリット・デメリットを具体的な数字を提示してお伝えすることが可能です。
また、いざ売却するとなると、何から手をつけて良いのか悩まれるかと思いますので、その際には相続のお手続きから不動産の売却まで一括して最後までサポートさせていただきます。
相続不動産を売却するか否か悩まれている方は、お気軽にアット.法務オフィスにお問い合わせください。
著者
稲葉 尚士(いなば たかし)
神奈川県司法書士会所属
登録番号:第1111号
簡易裁判所訴訟代理権
認定番号:第302030号
担当分野:相続業務全般、債務整理